待ち合わせの星に来ない

感性のリハビリ

lovelytheband『Finding It Hard to Smile』

どっかのショッピングモールで流れていて、Siriに教えてもらったバンド。バンド名とメンバーのルックス、曲の感じが全部意外。

 

かかっていたのは『Broken』で、MGMTの『kids』っぽさがある。この感想は100人中80人が言いそうだ。

 

英語が得意ではないので細かいニュアンスはよく分からないけど、アルバム全体を通して寂しさがあって、でもそれは部屋の隅で膝を抱える孤独ではなく、パーティでお酒飲んで笑い合ってふとトイレに立って我にかえった時のような感じ。孤独は陰キャの専売特許ではなく、どんな人でも人である時点で既に寂しさを抱えているんですよ。それを感じるポイントと頻度に個人差があるだけで。一人でいて寂しいときも、大勢といて寂しいときも、誰かを拒絶する寂しさも、誰かを求める寂しさもあるでしょう。鬱々とした孤独に浸れる曲もいいけど、日々をつつがなく過ごす中で心をかすめる寂しさに寄り添い肯定してくれる曲も必要だ。

まあ歌詞を見るとドロドロの孤独を武器に君を口説き落とす、みたいなものもあるんだけど、曲調がどこかキャッチーでノスタルジックなせいか、どの曲も内面に閉じこもるような感じはしない。私もどうしようもない寂しさが常に心の奥に控えているけど、四六時中自分の殻に閉じこもってそれらと向き合っているわけではなく、むしろ寂しさの気配を押し殺して社会生活を送っている。でもその状態ももはや寂しい。その間抱えている寂しさが消えているわけではないし。アルバムタイトルは『Finding It Hard to Smile』。笑顔になれない孤独もあるけれど、笑顔を作る孤独もあるよね。

 

私は『Broken』の次に流れる『Alone Time』がお気に入り。浮遊感があって、気持ちが良くて、やっぱり少し寂しい。